これは、とある街の小さなBarの
マスターのお話です。
徒然なるままにお読みください。
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彼は31歳
2019年4月に
夢だったBarを開店しました。
『どうしてバーテンダーになりたかったの?』
「モテると思ったからっスね (笑)」
分かりやすい(笑)
まあとにかく
モテたい一心で
彼はバーテンダーになるために
高校を卒業後
都内の老舗ホテルのバーに就職します。
そこは入店するのが
何十倍という難関でした。
けれども
彼は、自分の目的のために
そこで「学ぶ」と決め
情報収集をして
試験を受けました。
「なんか、採用になっちゃったんっスよね」
「まあ、うまくいくだろうって、
なんか思ってましたね(笑)」
彼は
その頃、既に
「30歳になったら
自分のBar(店)を持つ」
という夢、目標を持っていました。
軽くて、
一見ふわっとしている彼ですが
腹に決めたことは
全く疑いを持たずに
単純に素直に
信じるという
強烈な才能の持ち主。。。(笑)
ところで
そのホテルのバーに入ってみると
年功序列で
上下関係が厳しい環境。
基礎知識はみっちり覚えることができますが
カウンターの中で
お酒を作れるようになるには
とても時間がかかる
ということが分かりました。
「これでは
30歳で店を持つ
には間に合わない」
そう思ったそうです。
そこで彼は、
数年後
入るのも難しいその老舗ホテルを
スッパリと辞めます。
彼にとって
入るのが難しい
老舗ホテルで働いている
「選ばれし者」
という肩書きと
固定給よりも
30歳で自分の店を持つ
という夢のほうが
ずっと大切だったのです。
ホテルを辞めた後、
彼は
〇本〇だったか
〇宿だったか
麻〇だったかの
バーでバーテンデビューします。
本格的にお酒を作る
実践を重ねたのですね。
そして、そこで、
客単価とか
利率とか、身体で覚えていきました。
『それで、モテたの?』
「いや~(笑) モテてましたね!
そのころが一番
モテてましたね~(笑)」
いや、もう、なんの臆面もなく
正直に白状するところも
この青年の魅力です(笑)
それから、
二子〇川あたりの
ビストロで店長をして
店を切り盛りする
仕入れだのなんだのの
感覚、人脈を築いていきました。
根っからの
素直さ
人の好さ
で、どこに行っても
可愛がられる彼
実は彼は
とっても
受け取り上手です
誰かが
助けてくれることを
期待してはいませんが
差し伸べられる手は
素直に
握り
差し出される助けを
素直に
受け取ります
そして、
これまた素直に
「ありがたいですよね~」
「嬉しいっスよね~」
「いや、ホント、幸せですよね~」
「僕、本当に愛されてますよね~世の中に」
と、喜んでいます。
なんの罪悪感も
遠慮も
ありません。
ただ、ただ
素直です。
やりたい
という気持ちに素直で
助けてくれるという気持ちを
素直に受け取って
とっても素直に
「ありがとう」
と感謝して
喜んでいます。
そして、
「僕は幸せだから、お店にくるお客さん
にも、幸せでいて欲しい。
僕の役目ってきっとそういうことのような
気がしてるんです。
大きなことをするってことじゃないけど。」
と、笑っています。
そして。
彼は今、お客さまに
とっても可愛がられています。
「お土産持ってきたよ~」
という差し入れを
ありがたく受け取り
皆でそれを肴に
盃を重ね、
彼のお店は今日も
大繁盛です。
「ここのメニュー、文字書いてあげる」
と、お客さまがサラサラと・・・
殺風景だったバックボードが
おしゃれなメニュー表に
早変わりしたりします(笑)
そして
マスターは
誰かの誕生日には
スパークリングを振舞ったり…
そういうこともあります。
それを見た
常連さんが
フルボトルのシャンペンを
振舞ったりして
また、盛り上がります。
そして…
最近、彼は
自分の今の幸せを
自分のものだけにしておくのは
違うんじゃないかな
と感じ始めて
世界のどこかの誰かをサポートする
という趣旨の
支援型募金を始めたそうです。
そして
彼はこう言いました。
「なんか、僕、支援始めて
もっと幸せな気持ちになりました。
僕、ここの店のこともそうですけど
幸せって分けていくと
きっと、もっと自分が幸せに
なるような気がします。
還ってくるのかな。
なんかそんな気がします。
僕はもっともっと幸せになります。
こんな風に育ててくれた
両親にも
本当に
感謝です」
全く!
どこまでも
好い奴!
本当に
いい男です!
なんだか
人が幸せでいるって
どういうことなのかを
体現してくれています。
『幸せ』を
循環させていく極意ですね
Bar Happy Days・・・・
そう、いつものあの場所です。